毎年、交流戦の終了が近づく時期になると、交流戦そのものの在り方の見直し論的な話題がたくさん出てきます。 その多くが、 ・セ・リーグ球団の観客減 ・パ・リーグ球団の観客増 原因は、端的に言えば、日本の今のプロ野球公式戦での観客動員力は今も昔も変わらず、特定球団に委ねられる部分が多いということです。“特定球団”というのは、言うまでもなく巨人と阪神。 交流戦によって、対巨人、対阪神というドル箱カードが減少して集客減というデメリットを受けたのがセの残る4球団。それに対して、交流戦、特にこの人気2球団とのカードを定期的にホームで4試合できるメリットを教示できているのがパの6球団。 これが単純な観客の増減の図式のように言われています。その詳細を検証したことはありませんので、ここでは“言われています”という表現に留めます。 そんな状況を見ながら、現場レベルでの感想も持ち合わせた前中日監督の落合博満氏などは、交流戦の内容については面白い提案をしていた様子。 交流戦の枠内での同一カードの試合数の増減を検討するより、いっそのこと、リーグを3つに分けてのペナント制にしては?という持論を講演会で展開したとのことでした。 その内容を詳しくは把握していませんが、「3リーグ制」という内容については大変興味を持ちました。僕も以前、別のどこかで「3リーグ制」なるアイデアを見聞きした時に、自分なりに考えるとどんな構想を考えることができるか?とちょっと考えたことがあったので・・・。 現状の公式戦は、同一リーグで120試合、交流戦で24試合の合計144試合。 これを、4チーム×3リーグにして同様に交流戦を組み、同一リーグで72試合、交流戦で64試合の合計136試合へ。 こんな感じで試合数をまとめるといかがでしょう?もちろんシーズン全体の試合数が少なくなることに意味は持たせています。リーグが3つになるので、日本一を決めるためのポストシーズンを今よりも長い期間見込んでいるためです。 ちなみに、落合案では3リーグへの編成分けは毎年、クジのようなもので分けるアイデアのようでした。賛否両論あるでしょうが、僕の3リーグ分割アイデアは単純なる地域制から A : 北海道日本ハム・東北楽天・埼玉西武・東京ヤクルト B : 巨人・千葉ロッテ・横浜DeNA・中日 C : 阪神・オリックス・広島・福岡ソフトバンク の3グループで。 北から順に分けていっただけなのですが、偶然にもホームスタジアムは各グループにドーム球場が2つずつだったり。実務面を考えると移動距離や興業面でも、この辺は適当というわけにはいかないんですよね、きっと。 また、僕自身は今のポストシーズンの進め方に違和感を感じているのですが、その辺にも考慮をした形にしています。 ここでいうポストシーズンというのは、具体的にはセ・パ各リーグで行われるクライマックス・シリーズからリーグ優勝チーム決定までのプロセスです。 端的な“違和感”は2つ。 1つ目は、 シーズンの上位チームに与えられるアドバンテージの重み(1勝)が本当に妥当なのか? 2つ目は、 結局、全12チームのうち半分の6チームにも日本一になるチャンスがある。 シーズンの勝率5割を下回ったチームでもチャンスがあり、“下剋上”はそれで盛り上がるが、そのチームが仮に日本シリーズ優勝したとして、本当に日本一と評価して良いものか? 言ってみれば、たったこれだけです。 これだけと言えばこれだけですが、もし3リーグ体制になれば、3リーグの優勝チームに3リーグの2位チームの中から勝率最上位チームなどをワイルドカードとして加えた計4チームのトーナメントなどが開催できます。 結果としてこの2つの疑問が一挙に解決できるのでは?と。 “ワイルドカード”はMLBの発想を完全に模していますが、良いと思うものは取り入れればと思います。 この4チームで5回戦か7回戦かのトーナメントによる対戦を組めば、その勝者は“日本一”に値する栄誉を与えられるだけの戦いをできたチームだと思いましたので。 “日本一”を目指して戦うシーズンの意味合いは価値が上がるし、ワイルドカード争いをさせることで、3リーグに跨った関心を引き付けることもできるように考えました。 実際に3リーグ構想を考えてみると、特にポストシーズンについては自分でもイイと思う案になりましたが、考えられる課題や懸念も結構沢山あります。 単純に2リーグで行われている運営を3リーグに変えるとどんなことを考えなくてはならないか? まずはドラフト制度における指名順位。3リーグとした場合、 ・どのような順序での指名とするか。 ・単なる全球団の勝率順にするのか? 続いてはオールスター戦の開催。3リーグの場合、どういうオールスター制度にするのか?本サイトの別の箇所 001 プロ野球のオールスターは毎年1試合に にもまとめたとおり、「オールスターは1試合制」を推奨している僕としては真逆のことを考える必要が出てくるかも知れません。 例えば、毎年どれか1つのリーグがホームを持ち回りとし、残る2リーグのオールスターチームとそれぞれ1試合ずつの開催、とか。 あとは、2軍の運営。1軍が3リーグとなった場合、2軍も3リーグ制とするのか? その他、実は試合運営とは別にこれが一番ファンを巻き込んでの悩みとなりそうですが、「記録」の扱い。 単純にリーグごとのタイトル表彰をしていくと、2リーグ→3リーグで単純に今までと比べて表彰される選手の人数が1.5倍くらいになる計算。 これまでの長いプロ野球の歴史・記録と単純に比べたりしても違和感ないものなのか? といろいろ書きましたが、 年間通して行われるペナントレースと日本シリーズが、それぞれ何を決めるため(何を目的)に行われているのか? という原点に立ち返れば、片付くものは片付くようにも思います。 僕の答えは上にも書いた通りで、誰が見ても“日本一”に値する栄誉を与えられるだけの戦いをできたチームを決めるため。 それが現行制度ではやや不満だと思っている今、3リーグ制の検討は課題も多いですが、悪くないアイデアだと思っています。 本内容は下記ブログのエントリー内容 ・交流戦の是非とかリーグ再編などの話題 ・交流戦の是非とかリーグ再編などの話題(2) ・交流戦の是非とかリーグ再編などの話題(3) を参考に改変・加筆により掲載しました(2013/7/5)。 |